GRD 21mmの被写界深度(の謎) [GR & GR Digital]
追記しました
20D+300mm望遠の写真を何枚も撮っていて、絞りを深くしても背景のボケも深度も浅いのが撮れるので、ここしばらくずっと気になっていたGRデジタルの21mm化ワイコンGW-1を装着しての、パンフォーカスモードの深度について調べてみました
GRデジタルのフォーカスモードは、次の5つ
マルチAF、スポットAF、マニュアル、スナップ(2.5m固定)、∞・・それとマクロモード時のみ測距点移動指定
設定でカスタマイズ登録すれば、ふたつのダイヤルで操作性よく切り替えができます
このなかで、前々から気になっているのが「スナップモード」
2.5mに焦点距離を固定するモードなので、AFの合焦を待たずに、瞬時にシャッターが切れます
ようはスナップモードに設定してのパンフォーカスが、28mmから21mmになってどれくらい実用度が増すのか?ということ
深度と焦点距離の関係は、自分なんぞが薀蓄たれるような話じゃないんですが、広角になればなるほど同じ絞り値でも深度が深くなります
http://hong.plala.jp/hisya.html
↑こちらのサイトをつかわせてもらってGRの21mmと28mmの絞り値ごとの被写界深度表をつくってみました
追記)この表の数字は実際の焦点距離(21mm=4.4mm、28mm=5.9mmで計算した)もののようですが、GRデジタルの1.8分の1インチ800万画素の最小錯乱円の値とあわせてあくまでも目安程度です。おそらく前後にもっとパンフォーカス範囲となりそう・・・続きはコメント欄にて
細かい数字はいざ撮影時には頭に入れられるわけではないので、人物撮影や景色を撮るときに絞りをどれくらいにすればいいかの目安を覚えておこうといものです
21mmの場合、パンフォーカスが得られる目安が
絞り開放のF2.4だと手前1.7mから4.5mまでで、そこから絞るごとに手前に10cmずつ、奥行き方向に約80cmくらいずつパンフォーカス範囲が増えて、F5.6まで絞ると手前1.2mで奥行きは無限大になる計算になります
自分が覚えておける範囲としては、F2.8=1.7m~4.5m、F5.6=1.2m~∞のふたつ
その間の絞りは、だいたいそのあいだと覚えておけばよさそうです
遠景を撮るときはF5.6以上に絞ればよし、人物スナップなら1、2段絞って、1.5mから5~6mくらいであればOK!まあ、どっちにしても遠景ってGRはCCDサイズからすると20Dなどには及ばないのであんまり奥行き方向のパンフォーカスは気にしなくてもよいという印象も持っていますが・・・
これが、28mmで遠景とるときは、F11じゃあ小絞りボケがでるのでフォーカスモードは∞にする
人物をパンフォーカスで撮るならF5.6くらいならスナップモードで、それ以外はマルチに任せたほうがよさそうです
ところがここで疑問が発生
CCDの小さいGRの場合は、実際の焦点距離はワイコンつけて4.4mm、ワイコンなしで5.9mmなわけで、果たして被写界深度計算をそのまま35mm判換算で計算してもよいものか・・・?
しかもワイコンだし・・・深度計算時において、定数値の「許容錯乱円の径」が実際のイメージャーの差によって変数として入れ替えて計算するとけっきょくは同じことになるんでしょうね!?
実際に撮影してみると
21mmのF3.5
「フォトのつばさ」でいろんな点を等倍表示してみましたが、F3.5の1.5m~7.3mよりもずっとパンフォーカス範囲が広い感じはします
同じく21mm
どこを切っても、十分なフォーカスのように見えますね
こうして撮ってみると、20D+USMレンズの合焦のテンポのよさ以上のGRのスナップモードはほとんどのシーンで使えそうですね
ただ、スナップモードのフォーカスは固定されているので、AFの時間を待たずにすぐにシャッターが切れ、動きの早いこどもの写真では利点となるものの、測光のスピードは20Dに比べるとゆっくりなためときにこんな露出で撮れたりします
またこいつは、走りながらノーファインダーで撮った写真
普段はISOを64固定にしているので、晴天時以外ではシャッターが早くなく、被写体ブレと手ブレがでやすい
たこやきのように、50cm以内で撮るような場合は、おとなしくマルチAFに戻すか、マクロモードにするしかなさそう
スナップモードだと、こういう構図でもフォーカス位置をまったく気にせずに撮れます
外付けビューファーをつかって液晶をオフにして撮っていると、フォーカスモードがどれに設定されているのかを忘れちゃうことが多いんですが21mmだと、大きくフォーカスをはずす心配がなくなったともいえますかね?
液晶のみに表示される撮影モード↓
なお、パンフォーカスとは反対に適度なボケねらい
そもそもGRだとマクロモード以外ボケてくれませんが、ボケなはイメージャーサイズの強みで20Dが専門・・・このところ、お気に入りのEF24mm・F2.8
F2.4で数10cmで撮影
フォーカスは2.8対応センサー対応の中央を目にあわせて撮影してみましたが、開放F2.8で35mm判換算38mmで撮影距離0.5mで計算すると、フォーカス位置から前後1.5cm程度がピントの合う範囲になり、こんな感じてボケてくれます
50mmF1.8だと換算80mm・F1.8で0.5cmで計算するとフォーカスポイントの前後2.5mm程度となり非常に浅いことがわかりました
またF2.8mmの利点を生かして暗い室内で撮ってみるも、この写真なんかは感度を1600にしても1/15秒くらいで一脚をつかってこの程度のブレ低減モードになるようです
ズームレンズの場合は、F2.8レンズが高画質基準のひとつですが、正直なところさほどの明るさを期待しても結局、感度上げないといけないみたいですね
既出ですが、300mmレンズでのF16のシャープさと、300mでのボケもなかなか興味深いものが撮れます
関連記事http://blog.so-net.ne.jp/bebe1998/2007-02-27
最後から3枚目のニャンコのアングルがいいですねー。
by どりさま (2007-03-20 04:15)
被写体深度のお話ためになりました。
私も最後から3つ目のにゃんこがいいですね~
ダウンロードしてみたら、お目目がパッチリしてたんですね。拝見のボケも素晴らしいですが、右半分の顔の方の毛やしっぽ側の体などいい感じにボケてすごく柔らかい印象を与えていますね。
by foo (2007-03-20 16:37)
等倍で左の耳みていただくと、ケンカの傷があります。以前三日ほど帰ってこなくて、貫通のケガしてたんですね。夏だったし化膿していてたいへんでしたが、ネコってあんまり痛くないらしい(というか我慢強いらしい)。
相手のネコも深手だったそうです
EF24mmは地味だけど、最近また気に入っています
アングルも広角だと水平撮るより傾けて遊んだほうが面白いのが撮れますね
でも、やっぱり焦点距離と深度はわからない。深度計算はレンズの値なのでイメージャーのサイズには関係ないはずなので、フィルムでもAPS-Cでも深度表の数値は同じになるのに、コンパクトデジカメのCCDだとどう補正計算すべきなのかが、どうにもわからないんですね
それに、ワイコンやテレコンつけてもピントの合う範囲は、同じはずなんだと思うんですがどうなんでしょ??
やはり正解はGRの場合はワイコン付で5.9mmなので上の計算サイトに代入するとF2.4で2.5mだと、手前30cmから∞となるんですが、実際には違う
やはり許容錯乱円の数値が変わるんだと思いますがどうでしょ
by bebe (2007-03-21 01:04)
GRDというかコンデジ用CCDと実際につかわれているレンズの焦点距離について、「許容錯乱円径」で調べてみました
結局これって、PCの19インチモニターでピクセル等倍で見て、800万画素で撮影したとき・・・とかによって条件が変わりますね
参考にさせていただいたページ
http://shinddns.dip.jp/depth.php
http://www.asahi-net.or.jp/~YD8S-HMD/others/camera1.htm#ref16
これ以上追求しても得られる結果は実際の撮影には影響しなさそうなのでこの辺で自分としては納得しつつあります
by bebe (2007-03-21 08:15)