DS3 Chic ロングドライブレビュー [CITROEN]
EOS M EF-M11-22mm 鬼押ハイウェイ
先代のC3がオーソドックスなトルコン4速ATで、非力ながらも1.4リッターで「ふつう」に乗りやすかったのに比べて、こんどのDS3Chicは、3気筒1.2リッター、ロボタイズ5速ミッション
正直なところ、街中をスムースに走らせるには、アクセルワークをロボタイズミッションのクセに合わせたりと「街乗り」に最適なんてとんでもなく、ちょいと以上にクセのあるクルマなことは確かです
今回の家族旅行ドライブで、やり方がわからなかったオートクルーズもマスターしたし、ロボタイズミッションもオートモード+パドルシフトとマニュアルモードの使いわけなどのコツがようやくつかめてきましたので、DS3フォトと合わせて、レビューをしてみたいと思います
まず自宅(神奈川県)からの軽井沢のルートは調布から中央道で八王子までいき、圏央道を通って関越へ行くルート
上信越道からは馴染みの松井田妙義で降りてから、バイパスか旧道を通るかなんですが、今回も旧道ヒルクライムルートをチョイスしました
先代C3のナビの地図には圏央道はなかったし(2006年製)、帰りの上信越から佐久南なんて道ができてたこともつゆ知らず
ナビ地図データは新しいものがよいことを再認識しました
おまけで付いてきたようなメモリーナビだから多くは期待するものではありませんが、
- 目的地を指定したときのルート選択がわかりづらい
- 設定中のルート確認がしづらく(できない?)、再設定したほうが手っ取り早い
- バックライトは調整できるけど、メニューボタンまわりのライトが調整できず夜まぶしい
とはいうものの、ルートチョイスや案内のタイミングはなかなかに絶妙
たとえば旧軽井沢から軽井沢ICへの道案内もバスが通るルートじゃなく最短コースを
指定してくるし、分かれ道の手前からの予告があってジャスト交差点で
「右です」
って、落ち着いた声で「きっぱり」指示してれるおねえさんの声がなかなかに頼もしい
ナビの選んだルートを疑わず、そのまま従うには不満のないナビなんだなと思いました
- パイオニアAVIC-MP33Ⅱ
DS3 オートクルーズモード
そもそも、ステアリングコラム周りに、ウィンカーとワイパーレバーのほかに、パドルシフトレバーが付いていて、さらにオートクルーズ用とカーステレオ・ブルートゥース携帯操作用があり、すべてをブラインドで操作するには、そりゃ使って、慣れるしかないでしょう
で、今回ははじめてオートクルーズを使い、ほぼマスターできました
オートクルーズってバブル時代のクルマには付いてたし、いまさら感はあるのですが自分が乗るクルマとしてははじめてなわけで、
とくに、DS3のオートクルーズってオンオフの切り替えと速度の設定手順が、正直わかりづらくて、マニュアル読んでもピンとこないはずなので同じ車種のオーナーでもどれだけ活用してるだろか?
が、いざつかってみると高速道路だけでなくワインディング走行での定速巡航が思いの外楽しい
設定した速度で加減速をアクセルペダルやエンジンブレーキに頼ることなく、登りでも下りでも設定速度を維持してくれるのはもちろん、
左手の指先で、設定速度を上げ下げするとアクセルペダルを踏まなくとも、加速していくので、クルマとは別の乗り物を制御しているような感じがなかなかにナイス
ま、
もちろん前のクルマが定速で走ってくれてればの前提ですが、ワインディングでつかってみると、きつめのコーナーがこようがブレーキ踏まない限り、速度維持したままつっこんでいきます
前が軽い重量バランスとECSによる制御も効いているのか、コーナリング時に絶妙な回頭性とふんばりを感じるDS3の足回りと相まって、登り坂でも、下り坂をノーブレーキで曲がってくような感じでぐんぶん曲がっていきます
ただしオートクルーズモードでは注意点がひとつ
「シフトダウンしても車速を維持するのでエンジンブレーキが効かない」
急に前がつまったときにはブレーキペダルです
このあたりは、空いてる高速道路走行中でブレーキペダルをほとんど踏むことなくシフトダウンで減速して、またクルーズモードに復帰する乗り方がしみついてる身としては、あわてたときに危険かも?
ブレーキを踏むと解除(ポーズ)モードになり、レバー先端を押し込むと再びオートクルーズモードに復帰します
0-100kim/hの加速
3人載ってるからか、ずばり「遅い」
高速のパーキン グから本線へ進入合流するときには、走行車線+αの100キロ以上にスピード乗せておきたいところなんですが、2速5000回転でシフトアップすると 70キロあたりで、そこから3速へシフトすると3500回転あたりでつながるんですが、70から100キロまでの3500~5000回転域の加速がほんとにかったるい
先代1.4リッターのC3の4ATが2速だけで100キロ近くまで伸びてくれたので、合流するまでは2速でひっぱり、走行レーンに入ってからは、オートモードに切り替えてたはず
CS3の2速とDS3Chicの3速のギア比がほとんど同じぐらいのはずなのに、やっぱり200ccの排気量の差からくるトルク不足のせいなんでしょうか?
ちなみに、現行DS3SportChicの6速MTだと、2速で充分100キロまで伸びるはずだし、ターボ付いてるからまるで違うクルマでしょう
自分で取れる対策はただひとつ
加速ポイントを早めて、3速シフトアップしてから合流までの距離をかせぐしかありません
エアコンオフにしたりしても大差なく、軽量+小排気量の宿命で、3人乗ってるハンディが如実に出てるのかもしれません
高速クルージング
ただ、高速道路で100km/hあたりのクルージング速度に乗ってしまえば、5速でも3000回転以上回ってるし、あいだの4速もあるし速度調整にストレスはなくなります
なので、前述のオートクルーズモードによる速度設定が登りでも下りでも実用的にも効いてくるので、高速巡航には不満のないクルマです
ワインディング(登り)
後ろにこども乗ってるし、碓氷峠の旧道では振られないようにゆっくり走りましたが、登りが急だと2速・40キロくらいがほんと走りづらい
もうちょい回転上げれば、まあなんとか亀状態にはならないんですが、中軽井沢から鬼押出しまで登っていく道ぐらいだとこんどは逆に2速が70キロあたりで頭打ちで、登坂車線で譲ってくれて、さっさと抜いていないかないといけないときに辛い
そうなんです
黄色いボディに、いかついライトで早そうにみえるけど「見掛け倒し」なんですね
ただいわゆる中速コーナー(70km/hから)の旋回速度の限界は高い感じで、ECSを信じてラフなハンドリングでもアンダーも出にくそうだし、アクセルフラットアウトで登ってけばいいんですけどね
ま、車重が1トンちょいに、嫁さんとこども合わせて100キロ増えてるからひとりで乗ってたらもうちょい登ってけるはずなんですが
先々代のXsara
の4ドアモデルもボディ剛性がありましたが、エンジンパワーの割にATのギア比があってなくて、VTSのMTで走ったら楽しいだろな常々思ってましたが、
3気筒Chicはファイナルギアが低めにも関わらずトルク不足はいなめないわけで、ミッションだけターボ付きモデルと同じ6速MTと組み合わせたとしても、ファ
イナルを下げないときっと走らない(登ってかない)加減はさらに高まりそうな感じがします
また、無断階可変バルブタイミングとかで制御してるとは思えないほど高回転も伸びないし、1200ccとはいえ1気筒あたりは1.6リッターと同じなわけで、国産スポーツのように7000回転とか8000回転までまわってくれればギア比設定が生きてくるんだと思うんですよね
3速にシフトアップされちゃうと加速しないので、2速固定では走ってると、いきおい余って何回かレブリミッターを効かせちゃいました
ワインディング(平地&下り)
どんな非力なクルマでも下りは一転してご機嫌になるわけですが、おそらくDS3ChicとSportの差はタイヤの扁平率とリアブレーキがディスクかどうかの違いで足回りのよさを感じます
先代C3がやや腰高感があるものの、ロールが安定させて曲がるような感覚とは違い、FF慣れした自分としてはそれなりに回頭していってくれます
軽い3気筒エンジンによるフロント側の軽量化のおかげともともとの足回りのよさなんでしょうか
いわゆる「ツッコミ」的な走りをしたわけではありませんが、コーナー手前でブレーキングしてシフトダウンすると、一瞬のニュートラルで空ぶかしで回転合わせてつながるとか、気分的にもファントゥドライブ!
これはシーケンシャルモードのトルコンAT車では味わえないMT車的なフィーリング
下りコーナーなどでの安定性も先代C3とはまったく違い、ECSのトラクション制御も効いているのか、自分の腕では100%乗りこなすのは難しいほど足回りには満足しています
というわけでやっぱり不満は低回転域での上り勾配のトルク感に付きますが、これがECO優先モデルの宿命なんでしょう
しつこいようですが、このクルマを気持ちよく走らせるには、登り坂ならエンジンは4000回転から上、平坦路でも3000回転はキープするのがポイントです
先代C3 撮影:2014年
2000回転以下になるとノッキングかと感じるほど進まないと考えるべきでしょう
5ETGの乗りこなし
今回のドライブで気づいたことがもうひとつ
このクルマはクラッチがメカ制御なだけで基本は乾式ダイアフラムのマニュアル車であるということ
ようするに、ニュートラルがつかえるんですよね
1速から2速への切り替え時のクラッチのつなぎが唐突なので、シフトアップしそうな寸前でアクセルペダルを戻してやることで、下手くそなシフトショックを和らげることができるのは気づいてはいたのですが、
- オートモードで1速で発進してちょいと踏み込み
- 自動シフトアップするまえにニュートラルでトルクを遮断
- シフトレバーをオートに戻すと、2速でつながります
こいつは、ノロノロ渋滞時でも有効で、1速に固定されたまま微妙なアクセルワークで車速を維持しなくても、惰力をうまくつかうこと
MT車だったらクラッチ切ったりと自然にやってることでしょう
が、これをマニュアルシフトモードでさらにスムースな発進をしようとすると、マニュアルモードではニュートラルポジションがないわけで、この手がつかえないというジレンマに
そりゃそうだよね「Hパターン」のシフトゲートじゃないですからね
とまあ、5ETGのクルマ選んどいて文句いうほうがおかしいわけで、素直に6MTか型落ちでもトルコンATの1.6リッター選んどけっていうのが正論なのは判ってます
ただまあ、1ヶ月たっても、いまだに街中のストップアンドゴーで気を使ってるのが楽しみと感じるか否かは個人次第
嫁さんは、右左折で大通りに合流時のタイミングがつかめず、うっかり低回転のまま2速に入って加速していかないときの対処がピンときてないので、先代C3のときのような、グイグイ街中を走れなくなったと困惑していることも確か
こんな長くなるんだったら、もっとDS3の写真を撮っておけばよかった
そんなわけで、DS3Chic(5ETG)での家族旅行ロングドライブレビュー
どこまで正確なのか不明ですが、平均速度46km.hで計算すると41リッターほど消費してはずなんですが、カタログスペック上50リッタータンクのフューエルゲージがまだ1/3ってのがちょいと合いませんね
ま、道はほとんど空いてましたけどね
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