TM350 付属編集ソフト「HD Writer AE」 [AVCHD]
TM350の付属の「HD Writer AE1.5」
USB接続でTM350とつないで内蔵メモリーからの取り込みしたり、SDカードからAVCHDファイルをパソコンに取り込んで管理・編集するソフトです
いままでは、DVDメディアのAVCHD作成にしかつかってなかったんですが、今回は編集機能をつかってみました。
部分削除画面
ベンダー開発のアプリだと思うんですが、パナソニックらしいインターフェースのソフトでM350で撮影した動画のバックアップと閲覧・管理、BD/DVDメディアへのバックアップ(AVCHDディスク)をつくるのにはよくできたソフトだと思います。
1.便利なところ
・TM350本体をUSB接続でパソコンに取り込み、日付ごとの管理ができる
このとき、あらかじめ指定したフォルダ内に日付名のサブフォルダを自動作成して取り込まれ、かつファイル名も「日付時分秒」にリネームされます。
拡張子は「m2ts」になり、通常の連番形式のAVCHDオーサリング用のmtsから変更されます。
・取り込んだファイルをBDやDVDのAVCHDディスクをつくれる
オーサリングしたいファイルを指定して並べ替えたりしてAVCHD形式にオーサリングしてディスク作成ができます。
4GB程度ならDVD-RのAVCHDディスクをつくって、実家や知人に渡すにはちょうどよい機能です。
SDカードにもオーサリングファイルをコピーできるので、カメラ本体内で内蔵メモリーからファイルを選択してSDにコピーするよりも、PCに取り込んでから「HD Writer AE」でSDにコピーしたほうが「視認性」や操作レスポンスもいいですね
・部分編集と分割
さて、今回のテーマの編集機能
シーン=ファイル単位で、「分割」と「部分削除」ができ、最終的にはファイルをひとつに結合することができます。
分割機能は、TM350本体内でもできるんですが、はっきりいってこいつはつかいものにならない
なぜかといえば、後述するようにTM350本体での編集操作のつくりはほんとにひどい・・・
本体では部分削除やトリミングができない代わりに、まずファイルを指定ポイントで分割し、その後不要部分を削除するんですが、分割したあと連続して削除ができず、いったんもとのメニューに戻る・・・というすさまじいできの悪さです
・・で、HD WriterAEの部分削除
はっきりいって、かなり判りづらい・・・
DIGAやペガシスシリーズのEditor機能と同じ、削除する部分の最初と最後を選んで削除する方式
親切にも、「ここを残したらどう?」というマークがつけてくれるんですが、このオススメの判定がイマイチなので、それを無視して自分で削除ポイントを指定していきます
このカットの例だと、冒頭と最後の数秒をカットし、14秒を残す設定になります
この段階で「残す部分」をプレビューすることができますが、そのたびにプレビュー範囲を「仮」レンダリングするので、非力なパソコンでは時間がかかります
・・がそれでも、削除された部分の前後だけをレンダリングするようなので待ち時間はうちのパソコン(Pentium4 3.6GHz)で1分程度
まずまずといったところ
・トランジションとタイトル機能
フェードやワイプ等のシンプルな場面転換効果をかけられますが、最低のトランジション時間は3秒。
普段はビデオスタジオで1秒か2秒をつかうのでゆっくりです
またタイトルも3秒・5秒・10秒しか選べないし、効果もフェードインはできてもアウトは設定できない
とまあ、あくまでも簡易機能なのでそのあたりには不満もなく、実行するとトランジションもタイトルも1秒あたりのレンダリング時間が約1分
ようするに3秒のトランジション効果を実行するたびに、3秒待たされ、10秒のタイトルだと10分待たされます
Core2DuoやCorei7のような最新スペックのCPUならかなり早いとは思いますが、MPEG2圧縮や、ビデオスタジオのプロキシーファイルやカノープスの中間コーデックのような編集時のレスポンスはAVCHDのH.264ネイティブ編集ではなかなかリアルタイムまではいかないでしょうね
このひとつの作業ごとに「3分」待つ・・・というテンポは正直つらい
YouTubeやeyeVioに載せたり、MPEG2のBD保存を前提とする編集なら、いままでどおり先に全ファイルをMEPG2に変換しちゃってからのほうが待ち時間がひとまとまりになるので効率がいいわけで、変換やレンダリングを待つ間に、飯も食えれば風呂にも入れるし、外出もできる
その点、3分ごとに待つ・・・っていうのはきびしいので、基本的に最新スペックのマシンをつかうべき
3分待つってのは、その昔、はじめてパソコンでDVノンリニア編集をやりはじめたときと同じ感覚ですね
こんな感じでつくってみたのが前回の動画です
2.不満なところ
いまのところ確認したこのソフトのいまいちな点
・動画は(おそらくパナソニック)のAVCHDファイルだけ
実家の父親がTM350の兄弟機のHMC45をもっているのでSDカードから取り込みを試したんですが、24Mbpsモードのファイルは認識しない
おそらくキヤノンやビクターの24Mモードはだめでしょうね
・しかも、DMC-FT1のファイルを読み込めない
1280×720のAVCHDLite。なんとこいつが読み込めない
というわけで24Mbpsの非サポートは、DVD-RのAVCHDディスクが17Mpbsまでしかサポートされていないからこれは立派な理由があるものの、FT1のファイルが読めないのは、同じメーカーなんだから互換くらい考慮てほしいものです
ま、それだけ無料の付属ソフトにコストをかけられないっていうことなんでしょうけどね
試しにEOS5Dの動画をビデオスタジオ12でAVCHDディスクにしたのを読み込ませてみると「?」マークで撃沈
3.TM350の本体編集機能
蛇足ながら、TM350の本体編集機能についても補足
TM350はタッチ液晶式
任天堂DS用のタッチペンをつかってタッチ操作は快適なんですが、とにかく不満となるのはメニュー階層の深さとファイルの読み込みと表示の速度です。
とにかく、反応が遅いクセに、何かにつけても、確認(決定)のアクションが多すぎるんですね
たとえば、内蔵メモリーからSDへのコピー
ファイルコピーするには再生モードで電源を入れて、まず液晶フレームのメニューボタンを最初に押します
このあとは液晶タッチパネル操作
コピー>内蔵メモリーからSDへをタッチ>決定or戻る>する or しない>決定or戻る
ここまで5回・・・
「ファイナルアンサー?」と何回も聞かれてそのたびに「はい」・・・てしつこいったらありゃしない
「コピーって押してるんだから、コピーするんだよ(怒)」
さらにのあと「ビデオか写真」を選ばされ、シーン選択か日付選択してから>決定ボタン・・・
これでようやく日付フォルダを選択して「決定」を押すと、ダメ押しの「日付選択のコピーをします」>はい or いいえ・・・
ようやくコピーがはじまります
削除する警告ならともかくコピーなんだからねぇ~
これってどんなユーザーを想定したインターフェイスなんでしょうかね?
「愛情サイズ」カメラなんだから、ママさんややじいちゃんとかと想定しても、いまどきのママさんはケータイで操作は慣れてるだろうし、年配の方がつかうには液晶のサイズがそもそも小さい
なお、テレビ画面に映した状態で付属リモコンでの操作もできるんですが、これはリモコンのサイズもボタンも小さすぎてホントにダメダメ
他社のAVCHDカメラのことはわかりませんが、できればファームアップで「アドバンスユーザーモード(せっかちの人向け)」をやってくれるといいんですけどね
4.まとめ
そんなわけで現在は、TM350の内蔵メモリの動画ファイルと「HD WriterAE」で取り込んだパソコンの中身は同じ
iPodとiTunesのような関係になり「HD WriteAE」は、とっても便利です
管理された動画ファイルは、視聴もできるし、カメラメモリにも再度コピーやSDカードやDVD(AVDCHD)で元画質のまま保存や他人に渡すことがができる
こうして考えると、そもそもSDカードと非USBの我が家のDIGA(BW200)との連携を重視して、Panasonic機を選んだものの別にBDレコーダーなんかいらなかったじゃん・・とは思ったものの、少なくとも、ハイビジョン放送をTS(DR)録画のできるレコーダーを持っていないとAVCHDディスクは再生ができない
パソコンでもAVDHCのディスクフォーマットの「UDF2.5」は、VISTA以上じゃないとサポートされていないので再生なり対応ソフトがないと見られないなど、総合的にAVCHDの環境はまだまだの感がありますね
Hi8やDVの頃に他人でHi8再生デッキやDVデッキを持ってる人がいるはずもなく、みなVHSにダビングしてあげたりしたものが、DVDビデオが登場して普及率は高くなってからはDVD-VIDEOにオーサリングしてあげられたんですが、AVCHDの場合は普及はまだまだ先なんでしょうね~
我が家の場合は、実家やにもブルーレイDIGAがあるし、同好の友人宅にはJCOMのSTB兼用の「なんちゃって」DIGA」のDVDドライブでも再生できるので「AVCHDビデオレター」が使えます
これからAVCHDカメラを買う方へ
→パソコンをつかうかどうかに関わらず、カメラといっしょに再生と保存のできるレコーダーを買われることをオススメします
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